テー千木は奄美の方言で、車輪梅(シャリンバイ)を言う。
海岸近くに自生する常緑樹。葉が車輪のようにつき、5月に梅に似た白い花を咲かせるところに由来。
テー千木(車輪梅)をチップ状に砕き、2日間煮出します。 |
一度に煮出すチップの量は600kg。煮出した後のチップは、次回の燃料になります。 |
2日間かけて煮出した液を寝かせる事で、発酵が進み染料となり、独特のトロミと匂いが発生します。 |
熟練の職人が素手で染料を揉み込むように何度も何度も繰り返し染めていきます。 |
テー千木のタンニン酸で染めた後次の染めの為石灰のアルカリで中和。
また、テー千木で染めます。 これを何度も繰り返します。 何度も染めることで赤土色の鮮やかで柔らかい色に発色していきます。
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奄美は年間3000mmも雨が降り、豊かな森と大自然の海に囲まれ人間に優しい島。
3万年前の旧石器時代に人が住んでいた痕跡が発見されている。 150年前の古代層が生む湧き水は豊富で昔から生活用水として利用されてきた。
泉(方言でイジュン)。 古代層の湧き水が生んだ泥田
切り立った山の裾野にある泥田で染めていきます。泥染めに使う泥は鉄分が豊富で粒子が細かいのが特徴。
泥の鉄分とタンニン酸が反応し黒褐色へ変化します。
鉄分が少なくなると、蘇鉄の葉をいれることで鉄分を補う。
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大地の贈り物、それが古代層に自生し鉄分を多く含む蘇鉄。
蘇鉄の群落を流れ濾過(ろか)された湧水は鉄分を豊富に含みます。
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恐竜が繁栄した1億5千万年前の太古より自生する亜熱帯植物。
新しい葉の分だけ1年に2~4㎝の成長。 中国では「鉄樹」と呼ばれ、名前の由来は鉄を蘇(よみが)らせる。
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仕上げに川で泥を洗い落とすと糸が輝き出します。
化学染料を一切使わない自然の染料は大地に戻り、いつの日か蘇ってきます。
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泥染めは、1300年以上の歴史を持ち、自然と人類がバランス良く共存してきた循環型社会を今に伝える伝統文化遺産です。